vol.50 バランストレーニングについて

今回は「バランストレーニング」

について考えていきたいと思います。



バランストレーニングといえば、

どういうものをイメージするでしょうか。



一般的には、

不安定な状態を作り、



不安定を利用して

バランスを安定させるような

エクササイズが多いと思います。



よく見かけるのは、

バランスディスクやボールの

上に乗って

グラグラしながら

何かの動作をするようなもの。



最近では水が入った

バックをもって、

スクワットをしたり、



歩いたり、捻ったり

というものもあります。



それらの目的はなにかというと、

バランス能力を高め、

体幹を安定させる

ということのようです。



しかし、

本当に体幹が安定し、

バランス能力は

高まるのでしょうか。



まず、

バランス能力というのは

どういうものかを

考えないといけません。



本来、

バランス能力というものは、



「バランスが崩れたときに

元の状態に戻す能力」

のことを指します。



不安定なところで

バランスを良くする

ということではありません。



スポーツでもそうですが、

不安定な所で何かをする

という場面は

ほとんどないと思います。



バランスボールの上に乗り、

アンバランスな状態を

作り出すのではなく、



スポーツや日常生活で

バランスが崩れたときに

元に戻せる能力を養うことです。




不安定なボールの上に乗る

練習をすると

どういう能力が

高まるかというと、



ボールに乗るという

能力が高まる。

ということになります。



バランス能力が高まったり、

歩行の安定が良くなったり、

脚が速くなったり



そのようなことには

繋がりません。



これは、

トレーニングの原則である

特異性の原則に当てはまるからです。



その様なトレーニングではなく、

まず安定性として大切なのことは、

両脚でしっかり立つことです。



二本足で体重を支持して立つ。

そこから重心を移動して歩き、

走ることで体幹は

自然に安定していきます。



一般の方でも

まずは自然に立てない、

歩けていないことが多くあります。



そこを修正してから、

歩く、昇る、降りる、

しゃがむ立つ、

走るなどの動作を練習し、



そこから足りなければ、

強化していく方向に

考えればいいのでは

ないでしょうか。



ここまで、

バランストレーニングについて

書いていきましたが、



いずれにしても

最初にトレーニングの目的が大切です。



どのような

バランス能力が必要なのか、

目的を明確にし、

トレーニングの方法を

選択していく事です。



ですので、

体のバランスが悪いから

といって



アンバランスな状態の中で

エクササイズを行うことが

適切かどうかは、

考えるが必要があります。



私のトレーニング指導では、

体が不安定な人、バランスが

とれないかたには、



まずは自然に二本脚で立ち、



そこから適切に、

スムーズな動きが

できるように誘導していきます。



そうすると体は自然に

安定していきます。